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様々な症例や事例など、整体についてご紹介いたします。

2014年8月12日 (火) 23:14:29 | その他

整体のお話、頸性神経筋症候群

松井病院や東京脳神経センターで理事長をされている松井孝嘉さんがお書きになった(慢性疲労は首で治せる)という本を読ませてもらいました。

松井さんは首の筋肉の異常な緊張、凝りを伴う慢性疲労による諸症状はうつ、パニック障害、自律神経失調、更年期障害、めまいやふらつきのようなメニエール症候群的な症状、血圧の不安定な変化、頭痛、疲れ目、ドライアイ、耳鳴り、線維筋痛症的な痛みなど多岐にわたっており、首の異常な緊張や凝りを取り除けば高い確率でそれらの症状が取れると述べられています。

首の緊張や凝りと病との相関関係が臨床的に解明され、治療の実績が上がり、学術的にも認められてくれば、物理療法の広まりに発展していくことが期待されます。この意味において私は松井さんを評価いたします。しかし、徒手医学的や東洋医学的なホリステイックな捉え方をすると、慢性疲労症候群のようなつらい症状を生み出してしまった首の緊張や凝りは、首だけを物理療法で治療すれば良くなるとは言いきれません。首は頭/脳を支え、守る偉大な器官であり外傷(ムチウチなど)でもない限り首単独で悪くなってしまうとは考えにくいのです。

例えば正しい姿勢を保つ基本となるものは腰の強さと柔軟性であり、姿勢が悪いために起こった疲労感を元に戻そうとする心のゆとりですから、首の筋肉の異常な緊張、凝りを治療するだけの効果で慢性疲労症候群が完治するとは思えない訳です。ですから松井さんが仰っている高い治癒効果は“首の筋肉の異常な緊張、凝りを特殊な低周波治療器、遠赤外線、電気針、ホットパックを使い適切な方法で治療したら、身体の強さ、バランス、心のゆとりが取り戻され、自然治癒力が回復し良くなった“と言うべきだと思います。

それから松井さんは”カイロプラクテイックは問題“という切り口で整体、マッサージ、カイロプラクテイックによる慢性疲労症候群の首の治療には注意をするように述べられています。

しかしこのような徒手療法を受けられて良くなられた方も沢山いるという事
実を調べられていないのではないかと危惧します。カイロプラクテイックに代表される徒手療法には背骨にスラストをかけ矯正する方法以外にも、トリガーポイント療法、カウンターストレイン療法、ストレッチテクニック、NAET、オステオパシーなど色々ありますし、整体に関しても日本古来のものや操体法などがあり、整体とかカイロプラクテイックという一つの言葉で定義されるべきではないと思います。

今、松井さんの病院は入院治療半年以上待ちであるようですが、何百万人といる上述の不定愁訴をお持ちの方々はカイロ、整体、マッサージは問題と考える方が行う、そして鍼灸治療とは根本的に違う頸性神経筋症候群治療をどうやって受ければよいのでしょうか? この治療方法を厚生省も協力して出来るだけ早く世に広めていかなければ、頸性神経筋症候群治療だけしか治す手段は無いと思っておられる方々は浮かばれないのではないでしょうか。

最後に以下のことを言わせていただきたいと思います。“頸性神経筋症候群治療はそれなりの期間、1~2ヶ月?入院して集中的に行えば非常に高い確率で治せる治療と思われますが、鍼灸、カイロ、整体、指圧などの代替医療でも適切な施術を行えば必ず良い結果がでることは、世界の代替医療に携わる有能な施術者が証明できる、証明していると信じます。“ 
北川英一 北川整体 中目黒