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様々な症例や事例など、整体についてご紹介いたします。

2014年6月23日 (月) 17:56:33 | その他, 様々な症例

整体のお話、線維筋痛症

適切な整体の施術は以下の米国リウマチ病学会による線維筋痛症の診断基準にある痛みの中の外傷や筋骨格系の歪みからくる原因を取り除き、自然治癒力を活性させるという意味で効果が期待できます。
{米国リウマチ病学会による線維筋痛症の診断基準}
1.痛みの広がりが三ヶ月以上続くこと。痛みの広がりに関しては、次にあげるもの全てが存在することとする。左体側部の痛み。右体側部の痛み。腰の下部の痛み。腰の上部の痛み。軸性の痛み(頚椎、胸部、胸椎、背部下側)。2。首、背中、腰、腕、脚の発痛点の痛み。
<<米国ミシガン州立医大臨床助教授、同州ホリステイック医学センター診察部長、D.ブラウンスタイン医学博士の著書(関節痛・リウマチは完治する)は線維筋痛症の原因を以下のように述べています。
線維筋痛症の診断はとても難しいことが多い。通常の医学ではその診断基準を一応は設けているが、病気の原因との関連性はほとんどない。しかし通常の医学界でも、ウイルス感染(エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルスなど)や免疫系の機能障害、うつ病への関連性を否定してはいない。これらの症状の治療方法は、通常の医学では確立されていないが、医師がよく使っている治療方法は、非ステロイド系抗炎症薬や抗うつ剤である。このような薬は病気によって現れた症状、炎症やうつ症状には対処することができる。しかし、根底にある病因因子に迫ることはできない。症状の対処にとどまる治療は、本当の治療とはいえない。それだけでなく、薬物に依存する治療は毒性もあり、病気自体を悪化させることも考えられるのだ。一方、自然の成分を利用する治療は、比較的安全で慢性病の治療には向いている。慢性病の原因は、その性質か広きにわたると私は考えている。そして、実際に私が診ているこれらの慢性病の患者は、次に挙げる
症状を全て持ち合わせていることが多い。1.慢性感染症(ウイルス、細菌、真菌)。
2.ホルモンの機能不全。3.アレルギー(環境、食べ物)。4.栄養欠乏。5.重金属中毒
上に挙げたような症状を一つでも持っていると、免疫系の機能状況は非常に悪くなっているはずだ。実際に、これらの症状を持っている人々を対象にした実験で、免疫系の機能不全があることは証明されている。こうした原因因子を見つけ出し、治療していくことで、
線維筋痛症も良い方向へ導くことができる。>>
上述のブラウンスタイン博士の線維筋痛症の原因は主にその素因と永続化因子に照準が当てられています。誘因の筋骨格系の姿勢によるひずみ、反復使用による筋肉の疲弊については適切な整体施術で解決できるはずです。そしてその整体施術が人体エネルギーの流れを改善させることができれば素因と永続化因子に対しても補助的な力を発揮する事ができます。


線維筋痛症は米国のカイロプラクテイック(手技療法医学)の研究によれば主観的なこわばりや疼痛が3ヶ月以上続いていることは同症の必須基準のうちでも不可欠の要素とされています。また原因の中の素因、誘因そして永続化因子についても研究が進められていますが、素因には、長期に及ぶ心理的ストレスがあり、たとえば情緒的、身体的な虐待(米国では広範囲な意味においてこの言葉を使う)なども含まれています。心理的なストレスは人によってその受け止め方が違いますが、ストレスに弱くそれからうまく逃れるすべを知っている人とストレスを受け止めそれが健康面に影響を与えてもストレスであると認知しない人とでは、交感神経優位度、白血球中の顆粒球の比率、副腎機能しいては免疫力にまで大きな違いがでてきます。また女性は男性よりも線維筋痛症に罹りやすく(70%~90%)、症状が始まる年齢は平均すると34~55歳です。栄養、休息、運動が不十分なために身体状態が良くないことも、この症候群の素因となります。誘因には、慢性的な筋のオーバーユース(これは姿勢を支える筋も入るので、育児と上腕二頭筋の使いすぎのような明確なものだけでなく姿勢の悪い人の腰筋とか首を下げ前かがみの人の斜角筋なども入ります)、むち打ちなどの急性外傷、それに寒冷、病原体、毒性物質、騒音などの環境因子などがあげられます。 同症候群の診断基準として、必ず該当しなければならない必須基準は以下のとおりです.1.主観的な疼痛が3ヶ月以上続いている、2.主観的なこわばりが3ヶ月以上続いている、3。複数の部位に圧痛点がある、4。血沈、筋酵素値、仙腸関節のX線所見が正常で、リウマチ性の血清所見がない。3の複数の部位で最もよく
見られる7つの部位は鎖骨内側の筋付着部、肩と首の境界点、肩甲骨上部の筋、乳首と脇の間の筋、臀部の上外側部の筋、股関節大転子部、膝の内側です。全部は揃わなくてよいが、以下にあげる小基準にもいくつか該当しなくてはなりません。慢性疲労、睡眠障害、不安やストレスによる症状の変化、活動による症状の変化、気候による症状の変化、頭痛、主観的な腫脹、非関節性や非皮膚性のしびれ。 米国のカイロプラクテイックドクターWolfeによれば、線維筋痛症のためにカイロプラクテイック治療を受けたことのある患者の45.9%は、中程度から高い程度の改善が得られたと報告しています。同治療は治療法のうちでは最も有効なものに入り、これ以上の改善をもたらせる手段は休息のみであると言っています。 米国における線維筋痛症カイロプラクテイック治療は項目においてバラエテイーにとんでおり、いくつかの項目を組み合わせて行います。項目は温熱療法、超音波療法、マッサージ、トリガーポイント療法、ストレッチ体操、変位し固定した関節に対する手技療法、ストレス解消やライフスタイル改善への助言や励ましも含めた認知療法等です。日本に於いては上記に加え、日本古来の整体療法、指圧、鍼灸などがあり、うまく組み合わせればさらに有効な治療に発展する可能性があります。例えば上述のトリガーポイント療法は筋、筋膜などにできた圧痛点のようなものですが、米国ではただ単にその部分を押して痛みの物質を流すという考えですが、日本古来の手技療法では、氣の流れの改善が重要とされ特別な手法を取り入れ圧痛を起こす痛み物質をより速やかに体外へ流しだすことが可能です。

線維筋痛症改善のために

橋本裕子さんという方が代表をつとめられている線維筋痛症友の会の闘病記を読んで暗澹たる気持ちになりました。子供のころ跳び箱を飛んで両足が痛くなり、その後色々な病院で治療を受けたが原因が分からず、徐々に痛みの部位が増加し、線維筋痛症と診断されて数十年苦しんでおられる方とかマット運動をやっているうちに手首の痛みが発生し、その後手足の関節なども痛くなり線維筋痛症へと悪化されていった方などがその闘病体験を記されています。米国や欧州では徒手による治療医学が進んでおり、保険が適用される国もあります。もちろん保険が適用され、医学という名を使うからには相当の結果責任が求められ、研究や臨床データーの集・分析、より良い療法の開発など日々多くのカイロプラクターなどが研鑽を重ねています。 日本でももちろん指圧、マッサージ、整体などの徒手療法や鍼灸、漢方なども含めた代替医療が広がってきているが、治療行為の主体として保険適用されるまでには認められていません。さて上述の2つのケースについて現代徒手医学ではどのように対応するでしょうか。 跳び箱を飛んだとき両足が同時に痛くなるということは、中枢神経が飛ぶということ、即ちそのための筋肉を活動状態にして適切に働かせること、を足の神経に対して指示できなかったという可能性を第一原因として疑います。両足が同時に痛くなり筋挫傷的な症状になったことに対し、足のヒラメ筋や脛の筋肉を支配する運動神経が二つの足へと別れていくところの共有部分、即ち体の基盤となっている仙骨上部と腰骨(腰椎)最下部の変位を診る必要があったと思います。この部分に原因が認められなければ、もう一つ考えられる原因は、突然くぼみに足が入ってしまって足を傷つけてしまったような状態が跳び箱を飛ぶために床に両足を打ちつけたときに起こってしまった、即ち心では飛ぶんだと考えながらも体の運動神経がその体勢についていかなかったという状況が考えられます。このような状況で筋骨格系組織が傷つけられパニック的な反応が起きると、脳がそのような外傷をもう繰り返さないと認知するまで(即ちトラウマの解消)痛み物質(プロスタグランジン等)が流れ続け、その後の管理や治療が適切でなければ線維筋痛症的な症状を長い間抱え込むようになると思います。このトラウマの解消を達成させうる手技療法(日本の橋本流操体法やオステオパシーにおけるカウンターストレイン療法)については別途説明いたします。 上述のトラウマの解消は線維筋痛症の発端となる痛みや筋骨格系の変位を抱えてらっしゃる方にとって今後非常に重要な治療法として認知されていくべきであり、またそうなっていくと思います。マット運動やテニスなどで手首の痛みがあり、その後他の関節にも同様の痛みを抱え繊維筋痛症にまで悪化させてしまった方は、最初の手首の関節に痛みが出た段階で適切な処置を施して患部を整復する必要がありましたね。手首の痛み、それに伴う筋骨格系の変調は体の中心から遠い末端であるがために、体のバランスやそれによって支えられている他の関節、筋肉に与える影響はまことに大きいのです。それのみならず、東洋医学的には氣の流れを滞らせ筋骨格系以外の系(呼吸器系、循環器系等)にも影響を与えていきますので、それを放置した状態が続くと他の関節の痛みが新たに加わり、また脳神経や自律神経なども変調をきたします。線維筋痛症は原因がよく分からないと日本の医学界は言っていますが、過去にさかのぼって一つ一つの悪化要素(素因、誘因、永続化因子)を個々の患者さんのヒストリー事に丁寧に探っていき、それに対する処置を時間をかけて行っていかなければ繊維筋痛症の根本的な治療にはなり得ないと考えます。
北川英一 北川整体 中目黒